藤子F不二雄氏のSF漫画
「流血鬼」
ある日気づくと
自分以外の人が
吸血鬼になってしまった世界を描いています。
周りはすべて吸血鬼・・
なんて恐ろしいこと
唯一の人間である主人公の少年は
吸血鬼をどんどん退治して行きます。
少年から見れば
吸血鬼は絶対的な悪で敵ですが
彼らは彼らで(変な話ですが)
普通の生活をしているのです。
マジョリティである
吸血鬼になってしまえば
もしかしたら
前の世界とまったく同じ世界が
待っているのかもしれない。
そこに凶器を持って
自分の両親も
好きだった同級生の女の子も
退治しようとする少年。
この作品は
果たして
「流血鬼」とそれを退治しまくる少年の
どちらが本当の「流血鬼」なのだろうか?
と問いかけています。
現実の世界でも
不登校やひきこもり
コミュニケーションが苦手な人を
「治そう」としてしまいがち。
でも果たして
どちらが本当の世界なのだろうか?
私たちが適応すべきと思っている社会が
「人間にとって本当に幸せな社会なのかどうか」
ということを考えてしまいます。
もしその社会が
「流血鬼」がうようよいる世界に見えるとしたら
誰だって怖くて近づけませんから。
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